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公益法人等の法人税の課税所得の範囲と相違点を解説

法人税は、法人の形態によって課税対象範囲が異なるだけでなく、適用される税率も違います。

公益法人等は、事業の公益性から特定の収益が課税対象から除外されるなどの措置が講じられていますので、今回は公益法人等に対する法人税の取扱いと、法人形態ごとの違いについて解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

公益社団法人・公益財団法人

公益社団法人・公益財団法人は、公益事業を主な目的として活動する法人です。

一般社団・財団法人のうち、民間有識者からなる第三者委員会による公益性の審査を経て、行政庁(内閣府または都道府県)から公益認定を受けた法人が、公益社団法人・公益財団法人となります。

公益社団・財団法人に対しては税制上の優遇措置が設けられており、課税対象となるのは収益事業から生じた所得(公益目的事業から生じた所得を除く)に限られます。

法人税率は、所得金額800万円までは15%、800万円超からは23.2%です。

また、公益社団法人・公益財団法人は、みなし寄附金制度を適用できます

みなし寄附金は、収益事業に属する資産のうちから収益事業以外の事業のために支出した金額を寄附金とみなし、損金算入限度額の範囲内で損金に算入できる制度です。

損金算入限度額は法人の形態によって異なり、公益社団法人・公益財団法人が算入できる限度額は、みなし寄附金額のうち公益目的事業の実施に必要な金額または、所得金額の50%のいずれか多い金額です。

一般社団法人・一般財団法人(非営利型法人以外の法人)

一般社団法人・一般財団法人は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された法人をいいます。

公益認定を受けていない一般社団法人・一般財団法人(非営利型法人以外の法人)は、法人税法上の普通法人に区分されるため、同法人から生じたすべての所得が課税対象となります。

法人税率は所得金額800万円までは15%、800万円超からは23.2%で、みなし寄附金の適用はありません。

非営利型の一般社団法人・
一般財団法人

非営利型の一般社団法人・一般財団法人は、公益法人認定法に基づく公益認定を受けていない一般社団法人・一般財団法人のうち、法人税法上の非営利型法人の要件を満たす法人をいいます。

非営利型の一般社団法人・一般財団法人は、法人税法上は公益法人等として取り扱われるため、課税対象となるのは収益事業から生じた所得に限られ、法人税率は所得金額800万円までは15%、800万円超からは23.2%です。

ただし、公益社団法人・公益財団法人とは異なり、みなし寄附金の適用はありません。

NPO法人

特定非営利活動法人(NPO法人)は、ボランティア活動などの特定非営利活動を行う法人格を取得した団体です。

NPO法人は、収益事業から生じた所得のみが課税対象となり、法人税率は所得金額800万円までは15%、800万円超からは23.2%です。

NPO法人にも種類がありますが、通常のNPO法人についてはみなし寄附金の適用はありません。

認定NPO法人

認定NPO法人は、所轄庁が認定したNPO法人をいいます。

認定NPO法人には税制上の優遇措置が設けられており、課税対象となるのは収益事業から生じた所得に限られます。

法人税率は所得金額800万円までは15%、800万円超からは23.2%です。

特定非営利活動事業のために支出した金額はみなし寄附金の対象となり、所得金額の50%と200万円のいずれか多い金額を限度として損金に算入ができます。

特例認定NPO法人

特例認定NPO法人は、設立後5年以内のNPO法人のうち、運営組織や事業活動が適正であるなどの要件を満たし、所轄庁から特例認定を受けた法人をいいます。

特定認定NPO法人も認定NPO法人と同様、税制上の優遇措置が認められています。

課税対象となるのは収益事業から生じた所得に限られ、法人税率は所得金額800万円までは15%、800万円超からは23.2%ですが、みなし寄附金は適用できません。

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