ハラスメント対策強化のため、カスハラ対策が義務化されることになったそうですが、いつから対策が必要となるのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
カスタマー・ハラスメント(カスハラ)対策というと、東京都が国に先んじて2025年4月1日に「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を施行しています。
どのような行為がカスハラに該当し、事業者(企業)にはどのような責務があるのか等については「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」に明記されていますが、企業に求めているのは「努力義務」であり、違反に対する罰則も設けられていません。
一方、2025年6月4日に改正労働施策総合推進法及び改正男女雇用期間均等法が参議院本会議で可決・成立し、これにより事業主や自治体にカスハラ対策や就活セクハラ対策が義務づけられるようになりました。
そこで気になるのは、いつから改正法が施行されるかということですが、施行日は「公布の日から起算して1年6月以内で政令で定める日(一部については公布日より施行)」となっており、具体的な期日は現時点では未定です。
ただし、2026年中の施行を目指しており、今後「指針(ガイドライン)」を策定する予定になっています。
今回のカスハラ対策の強化におけるポイントは、
「カスハラを防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務付け、国が指針を示すとともに、カスハラに起因する問題に関する国、事業主、労働者及び顧客等の責務を明確化する」というもので、カスハラを次のように定義しています。