相続税の計算方法がわかりません。どのように計算すればいいのでしょうか?
【この記事の著者】 阿部慎太郎税理士事務所 税理士 阿部 慎太郎
相続税の金額を計算するには、いくつかの計算手順を踏まなければいけません。
大きな手順としては、以下のような1から7までの流れによって計算していきます。
手順
1. 相続人を明らかにする
2. 各人の相続税の課税価格を計算する
相続税の課税価格とは、次のようなものを加減算して、求めます。
相続財産 + みなし相続財産 - 債務控除 - 葬式費用 + 生前贈与財産 = 相続税の課税価格の合計
この各人別の相続税の課税価格を全員分合算したものが、相続税の課税価格の合計となります。
3. 課税遺産の総額を計算する
課税価格の合計 - 遺産にかかる基礎控除額(※)= 課税遺産総額
※遺産にかかる基礎控除額については法改正があります。
今まで5,000万円未満であればかからなかった相続税が、3,000万円未満に減少してきますので、今後の相続税額には注意が必要です。
<平成26年12月31日以前>
5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数
<平成27年1月1日以降>
3,000万円 +600万円 ×法定相続人の数
4. 各人の法定相続分に応じた取得額を計算する
課税遺産総額 × 民法に規定する相続人の相続分(法定相続分)= 各相続人の法定相続分に応じた取得額
5. 相続税の総額を計算する
各相続人の法定相続分に応じた取得額 × 相続税の税率 = 相続税の総額
6. 各相続人の相続税を計算する
相続税の総額 ×(各人の課税価格 / 課税価格の合計額)= 各相続人の相続税額
7. 納付すべき相続税を計算する
各相続人の相続税額 - 配偶者の税額軽減 - 未成年者控除 - 障害者控除 - 贈与税額控除 + 1親等・配偶者以外の者は相続税額の2割加算 = 各人の相続税額
計算例
では次に、この流れに沿って、例を挙げて計算してみましょう。
例)平成26年中に、相続税の課税価格が総額2億円で相続人間での話し合いの結果、配偶者1億円、子ども2人(長男25歳、長女12歳)に各5,000万円の場合
1.法定相続人は、配偶者、子2人の計3人
2.課税価格の合計は2億円