契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

企業の「のれん」を使った不正会計とは?

「“のれん”が大きい会社は危ない」、と聞いたことがあります。
具体的には、のれんを使った不正にはどのようなものがあるのでしょうか?


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

「のれん」は、買収時におけるプレミアムのことです。
プレミアムが高すぎる場合は、価値の低い会社を高すぎる値段で買っていないか、という懸念が生じます。

読者のみなさんは、「のれん」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「のれん」とは、買収の際に生じるプレミアム分です。

たとえば、A社がB社を買収する際には、何らかの価値を見出したから買収する訳です。
その価値がプレミアムとして「のれん」になります。
つまり、「のれん」とは買収された企業の時価評価純資産と買収価格の差額のことを指します。 

この「のれん」は会計上、非常に気になる勘定科目です。
「のれん」は決算書上、無形固定資産に計上されます。
そして、日本の会計基準では20年内の「定額償却=費用化」を求められます。

「のれん」は、買収時のプレミアムで発生するものですから、買収した会社のプレミアム価値がないことが判明すれば、残っている「のれん」は減損処理が必要です。

「のれん」に対して減損が生じると、M&Aの評価プロセスは正しかったのか、そもそも価値のない会社を高く買って「のれん」が生じたのではないか等、疑問がわきます。

仮に、買収時における対象会社の評価が正しかったとしても、買収後に思ったような価値を生み出さなければ、買収プレミアムの価値がなかったということで、「のれん」を減損する必要があるのです。

このように、「のれん」には減損リスクがあるため、「のれん」が多額に計上されている会社の決算書は減損リスクに気をつける必要があります。 

ここでは、価値の低い会社に対して高い価値をつけて損失を隠そうとしたオリンパスの事例を見てみましょう。

下記は、同社の訂正前の簡易貸借対照表です。

PREVNEXT

関連記事

2022年10月からの社会保険料免除要件の改正

育児休業中の社会保険料免除について、見直しが行われると聞きました。 なぜ見直しが行われることになり、どのような内容となるのでしょうか。 ...

会社をたたむ検討するタイミングと事業廃止する際の注意点

将来的に会社の廃業(解散)を検討している経営者が頭を悩ませるのが、会社をたたむタイミングです。 廃業する最適な時期は、会社の経営状態や経営者自身の...

適格株式移転の税制上の利点と適用要件を解説

株式移転は組織再編行為の一つで、要件を満たせば税制上の優遇措置を受けることができます。 本記事では株式移転の概要と税制適格・非適格の違い、そして適...