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現金着服による不正の手口とは?

husei18

現金の横領に関する事例を教えてください。


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

不正には、さまざまな目的や手法がありますが、自分自身の私欲のために会社の現金・預金を着服する事例は、読者のみなさんにも一番馴染みがあるのではないでしょうか。

今回は、取締役兼業務部長がその地位を利用して会社から不正に現預金を着服していた事例を紹介します。

本件が発覚したのは平成27年の秋ですが、じつは不正行為自体は平成17年から10年以上にわたり行われていました。

10年以上も不正が発覚しなかったのは、不正実行者が当該会社の経理業務を実質一人で担っていたため内部牽制が有効に機能しなかったことや、金融機関からの残高証明書の偽造などにより監査役による監査等を潜り抜けてきたからでした。

本件の不正の手口としては、①資金移動の際の不正と、②残高証明書の偽造の2つがあります。

①資金移動の際の不正
多くの会社では、入金口座と決済口座があると思います。
そして、毎月一定の時期に入金口座から決済口座に資金を移動します。

資金移動の際、たとえば普通口座から当座口座へ移動する金額が4000万円の場合、普通口座の金融機関に4000万円の出金依頼書及び4000万円の送金依頼書を提出して手続きをします。

ところが本件では、4000万円の出金依頼書と3900万円の送金依頼書を窓口で提出して、差額である100万円は現金で着服していました。
会計の記帳上は、伝票を作る際に4000万円と仕訳を記載することで不正が発覚しないようにしていたのです。

②残高証明書の偽造
しかしそうなると、いずれ実際の預金残高と不正に使った当座口座の差異が大きくなります。

そこで次の不正として、金融機関からの残高証明書の偽造を思いつきます。

この偽造手口では、まず金融機関からの「残高証明書」と「お取引きのご案内」の原本をコピーします。
次に、必要な数字を「切り貼り」して、それを再度コピーして原本はご丁寧にシュレッダーで破棄することで不正が発覚しないようにしていました。

さらに、

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