会社の経営について見直そうと思っています。そこでまず、費用を減らしたいのですが、どうすればいいでしょうか?
【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史 http://www.eguro-cpa.com/
まずは費用を、「変動費」と「固定費」に分けてみましょう。
自社の費用を分析し固定費が多いのか、変動費が多いのか、自社のコスト体質を把握することが大切です。
変動費と固定費の把握
会社の費用は大きく変動費と固定費に分かれます。
変動費:売上に応じて増減する費用。例えば、原材料費や外注加工費など。
固定費:売上の変動に関わらず発生する費用。例えば、人件費や家賃など。
経営を行っていると売上には増減があることでしょう。
特に季節変動を受けやすい事業であれば、売上が好調な月と不調な月があります。
例えば、スキー場やゴルフ場の運営会社は季節変動・天候に左右されますし、飲食事業でもアイスクリームであれば夏が好調ですし、鍋物であれば冬が好調となります。
しかし、売上が好調な時でも不調な時でも、固定費は毎月一定額かかります。
そのため、固定費が高いビジネスは、売上が少し減っただけでも赤字になりやすいのです。
そこで、まずは自社の費用を分析し固定費が多いのか、変動費が多いのか、自社のコスト体質を把握しましょう。
そして、自社のビジネスのために、どの費用はかけて、どの費用は減らせるか考えていきます。
【かける費用と減らせる費用の見極め】
「かける費用」と「減らせる費用」は業種によって異なります。
例えば飲食事業を展開しているなら、店舗の設備や人件費はサービスのために必要な費用となりますが、豪華すぎる本社の応接室などは不要で減らせる費用といえるでしょう。
赤字の会社の多くは、自社の規模に照らして固定費が大きすぎたり(高い家賃や、多すぎる人員)、無駄な変動費(無意味な販促費や無駄な材料費)が生じていたりします。
まずは、自社のビジネス規模と比較して豪華なオフィス、多すぎる人員構成になっていないか確認してみます。
家賃は一度契約すると数年はそのまま発生しますので、オフィスを借りるときは慎重に契約に臨みましょう。
また内装工事や備品、設備も固定資産として長期にわたり減価償却費として費用となりますので、自社の身の丈を超えた豪華なオフィス家具など無駄な投資をしないように気をつけましょう。
次に変動費については、