会社の経営を安定させるためには、貸借対照表(バランスシート)のどこを見ればよいのでしょうか?
【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
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短期的な安全性の指標として「流動比率」というものがあります。
決算書で見るべき重要なポイントを示すと、
① 安全性 ⇒ ② 収益性 ⇒ ③ 成長性
という順番になります。
まず、企業活動をしっかり行う前提として、財務基盤がしっかりしている必要があります。
そのうえで、「収益性」や「成長性」を見ていきます。
貸借対照表では、この「安全性」を見ることができるのです。
それが、流動比率と呼ばれる指標です。
流動負債と流動資産の関係とは
「流動負債」の主たる内容は、買掛金や短期の借入金です。
一方、「流動資産」の主たる内容は現預金や短期で現金化できる売掛金や在庫です。
流動負債を構成する買掛金や短期借入金は、短期で返済すべきものですので、その返済資金として流動資産が潤沢になければ、資金繰りに困ってしまいます。
そこで、流動資産と流動負債を比較するのです。
この比率は200%以上が理想と言われていますが、業種によって異なります。
実務上は、120~140%ぐらいで問題ない水準と言われています。