小学校での「いじめ」の件数が急増しています。
一体、何が原因なのでしょうか?
子供がいじめにあった場合、親はどうすればいいのでしょうか?
問題の核心をチェック
「小学校のいじめ、過去最多12万件 再調査で大幅増」(2015年10月27日 朝日新聞デジタル)
2014年度のいじめについて小中高校全体で把握された件数は、前年度より2254件増えて18万8057件。
そのうち、小学校では過去最多の12万2721件だったことが文部科学省の発表でわかった。
6月までにいったん取りまとめられていたものを、7月に岩手県矢巾町で起きた中学2年生の男子生徒のいじめを苦にした自殺を受けて、やり直し再調査をしたところ、最初の提出時より全体で約3万件増えたという。
主な概要は以下の通り。
・2010年度との比較では、小5で2・7倍、小6で2・4倍に増加したのに対し、小1が5・8倍、小2は4・3倍となり、小学校低学年の増加が目立った。
・再調査前に比べ、福島県(4・3倍)、福岡県(2・7倍)、岩手県(2・1倍)で認知件数が大きく増えた。
・中学校では5万2969件で、前年度より2279件減少。
・スマホやインターネットによるいじめの件数は7898件で前年度に比べ890件減少した。しかし、LINE(ライン)など特定のメンバー以外はやりとりが公開されないアプリもあり、実態は把握しにくい。
・全学校の42・4%が、いじめは0件としているが、調査が不十分な可能性がある。
2011年、滋賀県大津市で当時、中学2年生だった男子生徒が、いじめを苦にして自宅で自殺。
事件後の学校と教育委員会の隠蔽体質が発覚し、大きく報道された。
2012年度調査では大津市での事件の直後だったこともあり、いじめの認知件数は前年度比で3倍近くに増え、約19万8000件と過去最多だったが、2014年度の調査結果と比較すると、認知件数は約1万件減少している。
しかし、いじめの件数は、ここ数年は大きくは減少していないというのが実体である。
リーガルアイ
いじめの被害にあい、子供が傷害を負った場合は、民事において損害賠償請求することができます。
学校事故に関する詳しい解説はこちら⇒
「学校で起きた人間ピラミッド事故は誰の責任?」
学校は親に代わって子供を監督する立場であるため、法的には「代理監督者責任の義務」があります。
そのため、教職員の故意または過失によって生じた事故では、その使用者として学校が損害賠償義務を負うことになります。
公立校であれば「国家賠償法」、私立校ならば「民法715条」が適用され、損害賠償請求に関しては「民法709条」が適用されます。
では、加害者に対しては、どのように対応したらいいのでしょうか。