不要な営業・セールス電話がかかってきた場合、適当に対応して電話を切るという人も多いのではないでしょうか。
では、警察からの電話で捜査の一環として、なぜか自分の下着について訊かれた場合、あなたならどうしますか?
事件はこうして起きた
「警察官かたり、下着“サイズは”“色は”…わいせつ電話相次ぐ 奈良・大阪で93件」(2016年2月16日 産経新聞)
2015年6月から2016年2月12日までの間に、奈良県と大阪府で、警察官をかたった不審な「わいせつ電話」がかかってくるという事件が相次ぎ、奈良県警に寄せられた相談は93件にも上った。
不審なわいせつ電話の声は中年の男で、時間帯は昼前から夕方にかけて。
個人宅に電話をかけてきて、女性が電話に出ると警察署の警官をかたり、「下着泥棒を捕まえたら、犯人がお宅の電話番号を書いたメモを持っていた」、「被害はありませんでしたか?」などと言い、女性から下着のサイズや色などを執拗に聞き出そうとしたという。
その後の捜査の結果、奈良県警は2016年5月9日に軽犯罪法違反容疑(官名詐称)で、京都府のパチンコ店店員の男(46)を奈良地検葛城支部に書類送検。
送検容疑は、2016年2月5~8日、奈良県北葛城郡の32歳と44歳の女性宅に、同県警香芝署の警察官を装って「今日逮捕した男の持ち物から水着や下着が出てきた。今まで被害にあったことはありませんか」などと虚偽の電話をかけた疑い。
男は、2015年4月から犯行を繰り返し、携帯電話には半年間でなんと約3000件もの通話記録が残っていた。
奈良県内では146人の女性から被害相談があり、男は「相手になってくれる人がいてやめられなかった。奈良の人は応じてくれやすかった」などと容疑を認めているという。
リーガルアイ
軽犯罪法では、軽微な秩序違反行為として33の行為を罪として規定していますが、今回の事件の容疑は、わいせつないたずら電話ではなく、官名詐称です。
「軽犯罪法」
第1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
15.官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者
軽犯罪法の詳しい解説はこちら⇒
「迷惑な“つきまとい行為”は軽犯罪法違反!?」
https://myhoumu.jp/legaleye120/
じつは、