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他人のメールを盗み見るのは犯罪か?不正アクセス行為を解説

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離婚問題を扱っていると、こんな相談を受けることがあります。
「妻が浮気の証拠をつかもうと、勝手に私のパスワードを使ってメールを盗み見ています。訴えることはできますか?」

禁止されると、かえってやりたくなってしまうことを心理学用語で「カリギュラ効果」というそうです。

日本の民話「鶴の恩返し」や「浦島太郎」でも、「見るな!」「開けてはいけない!」と言われたにも関わらず、人間は禁止されたことをやってしまいます。

見てはいけないものを見たくなるのは人間の性(さが)かもしれません。

ところで、他人のIDとパスワードを使ってパソコンやスマホなどにアクセスすることは犯罪になるのでしょうか?

実際に起きた事件をもとに、法的に解説していきます。

事件はこうして起きた

「東京外大の成績盗み見、男子学生を書類送検 “正当に評価されているか見たかった」(2014年2月10日 産経新聞)

2013年10月、東京外国語大学の学内システムが不正にアクセスされ、学生の成績が盗み見られた事件で警視庁サイバー犯罪対策課は、同大国際社会学部2年の男子学生(20)を不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検しました。

同課によると、男子学生は成績や講義の時間割などを閲覧できる学内の「学務情報システム」を偽装したフィッシングサイトを作成。

学生222人に「不具合が生じた」とメールを送信しサイトに誘導。入力されたIDとパスワードを自分のメールに転送させていたようです。

男子学生は、こうして不正に入手した学生55人分のIDとパスワードで同大のシステムに不正にアクセス。
「自分の成績に不満があった。正当に評価されているか確かめたかった」と容疑を認めているということです。

リーガルアイ

近年、サイバー犯罪は世界的に大きな問題となっています。

そこで2000年に施行されたのが「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(通称、「不正アクセス禁止法」)です。

第3条(不正アクセス行為の禁止)
何人も、不正アクセス行為をしてはならない。

これに違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金です

許可なく他人のIDとパスワードを使ってインターネットを通じてFacebookやメールシステムなどにアクセスすると、犯罪になります。

また、そのような不正アクセスをすることを目的として、他人のIDやパスワードを取得することも犯罪です。

2013年には、離婚調停中の妻のID、パスワードを使ってメールを盗み見ていた、

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