契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

有給休暇の半休取得者からの残業代請求にどう対応するか?

当社は始業9時、終業18時の会社で、半日の有給休暇(半休)を取得できる制度を設けています。先日、午前半休を取得し20時まで勤務した社員から、「18時以降勤務した時間について残業代を支給して下さい」と言われました。この場合、支給しなければならないのでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
https://myhoumu.jp/roudousoudan/

まず、自社が時間外労働を算出する場合、「実労働時間主義」と「始業終業時刻主義」のいずれを適用しているか就業規則等により確認しなければなりません
その違いは次のとおりです。

・実労働時間主義 → 実際に働いた時間(実働時間)を基準に時間外労働を算出
・始業終業時刻主義 → 始業時刻前や終業時刻後に働いた時間は時間外労働として算出

ただし、労働基準法では実労働時間主義が原則であるため、ここではそれに従い解説していきます。
また、ご質問の半休制度について、午前半休が9時~12時(3時間)、午後半休が13時~18時(5時間)であると仮定します。

そうすると、この社員は当日9時~12時まで半休を取得し、13時に出社してから20時まで勤務したことになります。
従って、この場合の実労働時間は13時から20時までの7時間となり(休憩は取得していないものとします)、法定労働時間(8時間/日)の枠内にあるため時間外労働は発生しません
当然、割増賃金の支払いも不要となりますが、終業時刻である18時以降の勤務については通常の賃金(割増率なし)を支払わなければならないことに留意をして下さい。

PREVNEXT

関連記事

休憩時間が労働時間とみなされる場合とは

休憩時間が労働時間とみなされる場合とは

先日、東京メトロが80億円以上の残業代を社員に対して支払うという報道があったようですが、どのような内容でなぜ支払うことになったのでしょうか。 ...

事業承継・引継ぎ補助金について

わが国の企業の内、99%以上が中小企業であり、全従業員の約70%は中小企業で働いています。(注1) 中小企業は、その地域雇用の受け皿としての機能を...

出張の定義とは

当社(本社は東京都内)は事業の性質上、関西や東北方面への出張があります。 しかし、どこまで出向いた場合を出張扱いとするのか明確な基準があり...