当社は現在テレワークを実施しており、ウィルス対策ソフトを各社員のパソコンに導入していますが、セキュリティ対策としては十分ではないと理解しています。
どのような対策を取ることが望ましいのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
総務省の「テレワークセキュリティガイドライン 第5版」(以下「ガイドライン」)によると、近年のセキュリティは「ゼロトラストセキュリティ」という考え方に注目がおかれているそうです。
その内容は「内部であっても信頼しない。外部も内部も区別なく疑ってかかる」という性悪説に基づいた考え方であり、一言で言うなら「何でも疑ってかかれ」といったところでしょうか。
疑うべき対象が広範囲に渡れば、取るべき対策もそれだけ増えることは明白です。ガイドラインでは、対策すべき事項を以下の13個に分類しています。
1.ガバナンス・リスク管理
2.資産・構成管理
3.脆弱性管理
4.特権管理
5.データ保護
6.マルウェア対策
7.通信の保護・暗号化
8.アカウント・認証管理
9.アクセス制御・認可
10.インシデント対応・ログ管理
11.物理的セキュリティ
12.脅威インテリジェンス
13.教育
さらに経営者、システム・セキュリティ管理者、テレワーク勤務者が実施すべき対策がそれぞれ「基本対策」と「発展対策」に分けて記載されており、かなりのボリュームとなっています。
コストと時間、人員をかければ相応の対策を講じることができると思われますが、企業規模によっては専属のシステム・セキュリティ管理者を置く余裕はないでしょう。
その場合は外部の専門家にサポートを求めることが望ましいと思われます。