就業規則の規定により、現在休職している社員がいます。休職中は本人が出社することもありませんので、休職期間の満了となる日が来るまで特段の対応は不要だと考えています。この判断は適切でしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
休職中はその名のとおり「職(仕事)を休む」ので、その間、絶対に何か対応をしなければならないというものではありません。
ただし、休職者の現在の体調をある程度把握しておくことは必要と思われますし、それが復職の可否を判断する場合の材料となることもあります。そのため、休職開始から休職満了までの間、適宜次のようなことを確認するのが望ましいと思われます。
・休職者と同じ職場の社員に対しては、休職するに至った理由(病名等)は知らせない。
→業務引継ぎ等の問題があるため、休職するという事実及び休職期間を知らせる程度に留めるべきでしょう。
プライバシーの問題もあるため、本人の同意があった場合や緊急対応の必要性があった等の理由がある場合を除き、休職理由の公表・開示は避けましょう。
・休職者からの定期的な連絡を求める。
→休職中は心身の回復を第一に考えなければならないので、本人から定期的に連絡するよう求めるのではなく、「会社が求めた場合には」連絡をしてもらうようにしましょう。
連絡手段としては電話やメール、対面等が考えられますが、現実的にはメールによる連絡となることが多いでしょう。
電話だと本人の声、対面だと声だけでなく表情や雰囲気も把握することができるので、本来メールより体調面を把握するという意味では望ましい手段かと思われますが、難しい面もあると思われます。
・休職中、副業や転職活動を行ったり、旅行に出かけていないか確認する。
→休職者には休職中、治療に専念する義務があります。また、休職とは「労務に従事することが難しいため、会社が労務を一定期間免除するもの」です。
ところが、労務に従事できないということで休職しているにもかかわらず、副業や転職活動を行う例が実際に起きています。