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障害者の雇用状況に改善が見られない場合の社名公表について

先日、障害者の雇用状況に改善が見られないとして5社の企業名が公表されたそうですが、どのような場合に公表対象となってしまうのでしょうか。

【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

令和5年3月29日に、厚生労働省は「障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表について」という文書において、障害者の雇用状況に改善が見られなかった5社(このうち3社は過去企業名が公表されていたが、いまだ改善が見られないとして再公表の対象となったもの)の企業名を公表しました。

「障害者の雇用の促進等に関する法律」とは障害者雇用促進法と言われるもので、民間企業の場合、原則として43.5人以上の労働者を雇用している場合は1人以上の障害者を雇用しなければならないとされています。
(43.5人×2.3%=1.0005人) ※2.3%=民間企業の法定雇用率

この法定雇用率に基づく障害者雇用を達成できなかったからといって、即座に社名が公表されるものではありません。また、公表基準というものがあり、実際の雇用率が全国平均の実雇用率未満の場合が対象となっているようです。

直近の場合であれば、
令和5年1月1日現在の実雇用率 < 令和3年の全国平均実雇用率(2.20%)
(法定雇用障害者数4名以下の企業は、当該数が3~4人で雇用障害者数0人の場合)
となった場合は公表されることになっています(公表が猶予となる場合あり)。

国としても「共生社会」実現という理念の下、全ての企業に法定雇用率は達成してもらう必要があり、法定雇用率未達成の企業に対しては「障害者雇入れ計画」の作成命令や勧告を行います。その勧告に従わないと公表ということになりますが、今回公表されるまでの経緯は次のとおりです。

➀公共職業安定所長による「障害者雇入れ計画」の作成命令(対象250社)
  ↓
➁雇入れ計画の実施(原則2年)
  ↓
③公共職業安定所長による「雇用勧奨状」の送付
  ↓
④「適正実施」の勧告(②の計画の実施状況が悪い企業が対象)
  ↓
⑤上記④の企業を対象に労働局長による「雇用勧奨状」の送付
  ↓
⑥「障害者雇入れ計画」期間満了後、改善が見られない(改善が特に遅れている)企業に対し、「特別指導」を実施
  ↓
⑦企業名公表

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