本人の性的指向を第三者に話してしまうと、ハラスメントに該当する可能性があると聞きました。どのような内容を話すとハラスメントに該当するのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
ハラスメントというとセクハラやパワハラ、マタハラ等が代表的なものとして取り上
げられることが多いかと思います。
それ以外にもリモートワークハラスメント(リモハラ)や就活終われハラスメント、SOGI(ソジ)ハラスメント等、様々なハラスメントがありますが、本人の性的指向や性自
認に対する嫌がらせやいじめがSOGIハラスメント(SOGIハラ)です。
「性的指向」とは、自分は男性が好きなのか、それとも女性が好きなのかという自分が好きな性のことをいい、「性自認」とは、自分は男性なのか、それとも女性なのかという自分自身が認識している性のことをいいます。
いわゆるLGBTQの方々に対する嫌がらせやいじめはその典型例です。
※L・・・レズビアン(女性の同性愛者)
G・・・ゲイ(男性の同性愛者)
B・・・バイセクシュアル(男性および女性の両性愛者)
T・・・トランスジェンダー(生まれた時の身体的性と性自認が異なる者)
Q・・・クエスチョニングあるいはクィア(自分の性的指向や性自認が決まっていない人、あえて決めていない人)
芸能人、あるいは一般の方であってもLGBTQであることを公表しているケースはありますが、多くの場合は性的指向や性自認を隠して日常生活を送っています。
ところが何らかの事情により、仕方なく自分の性的指向や性自認を一部の方に知らせなければならない場合があります。知らせる相手として、会社員なら人事部の人や直属の上司が考えられます。
知らされた人はその内容を第三者に漏らしてはならないことは言うまでもありませんが、それでもその内容を本人の同意なく第三者に漏らしてしまう人がいます。例えば、「内緒だけど、〇〇君は男性も恋愛対象なんだよね・・・」と言ってしまうような場合です。