最近ハラスメント対策で「アクティブバイスタンダー」という考え方があると聞きましたが、どのような考え方なのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
ハラスメントが発生した場合、行為者(加害者)に対しては就業規則の規定に基づき懲戒処分としたり、配置転換を実施する等の対応が行われ、相談者(被害者)に対しては不利益を回復したりメンタルケア等の対応が行われることが一般的です。
しかし、最も望ましいことは言うまでもなくハラスメントを予防・未然防止することです。
ハラスメント発生後に相談者が様々なフォローを継続的に受け、また、相応の時間が経過したとしても後遺症により会社を休職・退職せざるを得なくなったり、その後の人生が大きく変わってしまうことも珍しいことではありません。
そこで、最近注目が集まっている考え方が「アクティブバイスタンダー」です。
アクティブバイスタンダーとは直訳すると「行動する傍観者」という意味で、ハラスメントの発生現場に出くわした場合、ハラスメントを目撃した場合に、当該第三者は見て見ぬふり(傍観)をするのではなく、介入(行動)することでハラスメントを予防したり、事態の悪化を防ぐというものです。
介入の方法としてはアメリカの非営利団体が提唱している「5D」というものがあります。