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社会保険診療報酬の所得計算の特例制度とは?

社会保険診療報酬の所得計算の特例制度について教えてください。
平成25年度の税制改正で、どのように見直されたのでしょうか?


【この記事の著者】税理士法人晴海パートナーズ 税理士 小島 浩二郎 
http://harumi-partners.jp/

平成25年度税制改正大綱において、「社会保険診療報酬の所得計算の特例制度」(通称、措置法26条)の見直しが盛り込まれました。
改正内容の前に、現行制度がどのようなものかご説明します。

【現行制度】

医業又は歯科医業を営む個人及び医療法人が、年間の社会保険収入が5千万円以下の場合には、
この社会保険診療に係る実際の経費ではなく、社会保険収入を4段階に区分し、
各区分の金額に一定の割合を乗じた金額の合計額を社会保険診療に係る経費とすることができる制度です。

社会保険収入の総額(A)概算経費の額
2500万円以下A×72%
2500万円超~3000万円以下A×70%+50万円
3000万円超~4000万円以下A×62%+290万円
4000万円超~5000万円以下A×57%+490万円

本来、所得は(収入-経費)で計算されるものですが、この経費が実際に使った経費ではなく、上記の概算で計算した経費を使用できるというものです。

仮に、保険収入のみ5,000万円のクリニックで経費が1,500万円だった場合、3,500万円が実額所得ですが、措置26条を使って計算すると
5,000万円×57%+490万円=3,340万円が概算経費となり、実額経費1,500万円との差額1,840万円の所得が減少し、税率が50%だった場合920万円も得することになります。

もしこのクリニックの社会保険収入が5,000万円から1円でも超えてしまうと、この措置法26条は使用できなくなり920万円近くの税金がアップしてしまいます。

5,000万円前後の保険収入の病医院の場合、年末を多く休むなどして何とかして5,000万円以下にするドクターが多いのも納得です。

ちなみに、この保険収入は基金等への請求分と窓口で負担する部分との合計ですが、窓口部分は実際の収入ではなく、本来得るべき収入であることに注意してください。
(参考判例:平4.3.9、裁決事例集No.43 445頁)

さて、今回の税制改正により制度自体は存続したものの適用条件に追加がありました。

社会保険収入が5,000万円以下であることに加えて、その年の医業及び歯科医業に係る収入金額の合計(保険診療+自費診療)が7,000万円を超える場合には、措置法26条の概算経費特例が適用できなくなります。

(注)個人は平成26 年分以後の所得税について適用。
(注)法人は平成25年4月1日以後に開始する事業年度について適用。

なお、

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