法人税や所得税の節税のために、意図的に赤字決算にしている会社もあるようですが、赤字の会社でも負担するべき税金にはどのような種類があるのでしょうか?
【この記事の監修者者】 讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰
「経費で落とす」ことをテーマにしたビジネス本やネット上の記事をよく見かけます。
それは、経営者、経理・総務担当者、個人事業主の方などにとって、経費の使い方は興味があるテーマだからです。
経費に興味がある理由はただひとつ、所得金額をベースにして計算する法人税・所得税・住民税・事業税などを節税するためです。
たしかに、経費を多く計上すれば所得金額は圧縮できます。
中には所得金額が予想よりも多くなりそうになると、決算日直前に高級焼肉屋で飲み食いをしたり、海外旅行を満喫する会社も存在します。
業績アップには関係なく、単に節税のためだけにお金を遣っているのです。
いかに会社が税金を支払いたくないのか、手に取るようにわかります。
赤字でも負担する税金の種類は意外と多い
しかし、世の中はそんなに甘くありません。
たとえ赤字でも税金はかかります。
おもな項目は次のとおりです。
①消費税
②源泉所得税
③個人住民税(特別徴収の場合)
④健康保険・厚生年金・介護保険料・雇用保険などの社会保険料
⑤住民税の均等割(法人の場合)
赤字でも会社が負担する税金の種類は予想以上に多いと感じるのではないでしょうか。
①~④は従業員から預かったお金です。
⑤は資本金、従業員の数、事業所の拠点数に応じて納める税金が決定されます。
東京都の場合、資本金1000万円以下・従業員50人以下・事業所の拠点が1ヵ所の会社では、年7万円の住民税の均等割を納付することになります。
会社が赤字でも税金がかかるということは、じつは黒字の会社より税負担が重たいことを意味します。
なぜなら、