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税務調査で節税目的の組織再編が否認されるケースと事例を紹介

合併や株式分割などの組織再編を利用して節税する手段もありますが、節税目的の組織再編については、行き過ぎた租税回避行為として税務調査で否認されることがあるので注意が必要です。

本記事では、組織再編成に係る行為計算否認規定と、税務調査で焦点となるポイントを解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

組織再編成に係る行為計算否認規定とは

組織再編成に係る行為計算否認規定は、租税回避を目的とした組織再編成を防止するために設けられた規定です。

平成13年度税制改正で組織再編成に係る税制が大幅に見直され、「適格組織再編成」に該当する場合、組織再編成における移転資産等の譲渡損益と、株主の株式の譲渡損益の計上を繰り延べることができるようになりました。

一方で、企業の組織再編成の形態や方法が複雑かつ多様となることで、制度を利用した租税回避行為が増加することが考えられることから、組織再編税制に併せて組織再編成に係る行為計算否認規定(法人税法第132条の2)が導入されました。

否認規定に該当した場合、行為または計算にかかわらず税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準又は欠損金額若しくは、法人税の額を計算することができるとしているため、実質的に節税行為が認められないことを意味します。

税務調査で組織再編成に係る行為計算否認規定の焦点となるポイント

税務調査で、組織再編成に係る行為計算否認規定の適否判定が行われる場合に焦点となるのは、法人税の負担を不当に減少する目的で組織再編を行ったかどうかです。

組織再編成に係る行為計算否認規定の判定要件

法人税法第132条の2に規定される「組織再編成に係る行為計算否認規定」は、次の要件に該当した場合に対象となります。

<組織再編成に係る行為計算否認規定の要件>
1.合併等に係る合併等関係法人に該当
2.合併等に係る合併等関係法人の行為または計算
3.行為または計算を容認した場合、法人税の負担が減少する
4.法人税の負担減少が不当であること

上記1~3については一般的な組織再編でも該当しますので、否認規定が適用されるかは、4に当てはまるかが焦点となります。

「不当」に該当するケース

法人税法第132条の2に規定される「不当」は、その行為または計算による法人税の負担の減少が、税負担の公平を維持できないことに繋がるものが該当すると考えられます。

組織再編税制では、組織の再編成を行う際に発生する課税が適切な組織再編行為の妨げになることを防ぐために、一定の条件を満たした組織再編成に対して優遇措置を設けています。

一方で、適用要件を満たす場合には租税回避の手段として濫用される恐れがあるため、法人税の負担が不当に減少する場合、法人税法第132条の2の規定により、その行為・計算を否認することとしています。

組織再編成の制度を濫用しているか否か

組織再編税制において、組織再編成により移転する資産の譲渡損益は、移転資産の時価で取引が行われたものとして損益を計算するのが原則です。

しかし組織再編成により資産を移転する前後で、経済実態に実質的に変更がないと考えられる「適格組織再編成」に該当する場合は、移転資産の譲渡損益の計上を繰り延べることが認められています。

課税の繰り延べは組織を再編成したとしても、課税関係を継続させるのが適当である企業を対象としていますので、下記のような租税回避のために行われた組織再編成による行為・計算に該当する場合、制度の濫用とみなされるので注意が必要です。

<組織再編成を利用した租税回避行為に該当するもの>
・節税することを前提とした繰越欠損金や含み損を利用した組織再編成
・組織再編成を組み合わせるなどして、課税を受けることなく実質的な法人の資産譲渡や株主の株式譲渡を行う
・法人の税額控除枠等を利用する目的での組織再編成
・株式の譲渡損の計上や株式の評価を下げる目的での分割
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