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税務調査で真っ先に調べられる「計上のズレ」には要注意


税務調査で「計上のズレ」を指摘された経営者の話を聞きました。
計上のズレが起きる理由や注意点などがあれば教えてください。


【この記事の監修者】 讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

決算で苦しい状況に追い込まれると、「売上、費用の計上をずらせないか」と考えてしまう会社が後を絶ちません。

そこで今回は、計上のズレが起きる際のよくあるパターンと、それを発生させないための予防策を考えます

税務調査では計上のズレは真っ先に調べられる

経営者や自営業者が税務調査に脅威を感じる理由は「いつ、どんな理由で」やって来るのかパターンが読めないからです。

黒字が続いていて、「そろそろかな」と警戒していてもやって来ないこともあれば、たいして儲かっていないのに突然やって来ることもある、それが税務調査です。

加えて、どんな部分を指摘してくるかわからない点も恐怖です。

とはいえ、調査内容については、ある程度の法則があります。
例えば、税務調査が入った時、必ずといっていいほど調べられるのは、「前払いの費用がなかったか? 未計上の売上がなかったか?」という点です。

今期、予想以上の利益が出た。
このまま申告すると税金が高くなってしまう。
そして、来期の利益の見込みがあまりたっていない……。

このような条件が重なると、つい「来期に完成するプロジェクトの費用を今期に計上できないか?」と考えてしまいがちです。



なぜ計上のズレが起こってしまうのか?

前払いのケースでよくあるパターンが、「懇意にしている取引先との間で未完のプロジェクトを終わったことにする」というものです。

とくに決算直後に納品されるようなプロジェクトで、「少しの期間の調整だから問題ないだろう」という出来心が芽生えてしまうようです。

税務署も経営者のこのような心理を心得ているので、期末ギリギリで納品されたものや取引先に払った経費については、整合性を徹底的に突いてきます。

そのプロジェクトに関係する契約書・納品書・検収書などを片っ端から細かく調べるため、露見することもしばしばです。
やはり、計上のズレを安易に考えるべきではありません。

もちろん経費の計上だけでなく、来期の売上を強引に今期にずらしてしまうのもNGです。
こちらは、「あと少しで黒字になる」といったケースでよく行なわれているようです。

このような計上のズレは、売上・利益管理が甘い会社で起こりがちです。

どれくらいの最終利益になるのか、決算直前にならないと見えてこない。
利益が予想よりも大幅に少なかった、あるいは多かった。
このような理由で、調整のために行なわれることが多いのです。

計上のズレを発生させないためには、経営者がリアルタイムで売上・利益を把握できる体質にすることが大切です。

計上のズレには“うっかりパターン”もある

悪意がなくても「つい、うっかり」で計上のズレが発生してしまうケースもあります。

よくあるのが、

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