家賃収入・給付金の会計処理違い(個人事業主と法人)



家賃収入の起票については、個人事業主と法人では起票タイミングが異なります。

それぞれ所得税、法人税の考え方が違うためです。

新型コロナウィルス感染症の影響で、法人・個人を問わず家賃についても給付金等が設けられました。

ここでは、家賃収入の起票ルールを中心として、家賃支援給付金、住居確保給付金などについて解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

家賃収入の起票ルールとは

個人事業主の場合:所得税

個人の場合、家賃収入の計上時期については、所得税法基本通達36-5に記載されています。

① 原則 契約により支払日が定められている場合には、「支払日」に家賃収入を計上する。
② 例外 継続的な記帳を要件に貸付期間に対応する収益計上が認められている。

少し詳しく解説しますと、所得税法基本通達36-5では、不動産所得を収入とすべき時期は、

・契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日
・支払日が定められていないものはその支払を受けた日
・請求があったときに支払うこととされている場合はその請求の日

とされています。

一言でいうと、現金主義に近い考え方です。

しかし家主が帳簿書類を備えて継続的に記帳している場合には、発生主義に基づいての計上が可能になります。

例えば、従来から原則的な方法を採用していた個人事業主が、ある時点で例外の方法に変更すると、12 月に受け取った1月分家賃は当年の申告に、算入しなくてよくなります。

この例外規定はその後継続することが要件ですので、1度だけ使える節税方法ともいえます。

(国税庁: 不動産所得の収入計上時期 原則)
(国税庁: 不動産等の賃貸料にかかる不動産所得の収入金額 の計上時期について 例外)

中小企業の場合:法人税

これに対し、法人税では観点が異なります。

① 原則 収益は、役務の提供の日の属する事業年度の益金に算入する。
② 例外 前受けに係る額を除き、契約又は習慣により、支払いを受けるべき日において収益を計上している場合には、支払いを受けるべき日は役務提供の日に「接近する日」の属する事業年度の収益として経理することも認める。

これらは、平成30年度税制改正で、収益認識時期について通則的な規定が設けられ、役務の提供時点を収益認識の原則的な時点とする従来の考え方が踏襲されました。

特例部分(法人税法基本通達2-1-29)の読み方はすこし複雑ですが、要するに家賃収入時期を契約などに基づいて計上する場合も、原則とすべき日に「近接する日」として認めるものです。

特例で注意すべき点は、「前受けに係る額を除き」という点です。

前受けとして処理した額は益金、つまり所得にはなりません。
(国税庁:2-1-29 賃貸借契約に基づく使用料等の帰属の時期 参照)

さて、これらのことを踏まえて、今般の給付金を考えて見ましょう。

政府からの支援について

不動産物件をどのような人に賃貸しているかにより、受けられる給付金等が異なりますが、家賃に特化したものとして次の2つの給付金が挙げられます。

いずれも家主側ではなく賃借人側での申請となりますが、結果的には不動産収入の確保につながる給付です。

家賃支援給付金

事業者向けの家賃対策としては、「家賃支援給付金」があります。

コロナの影響で売上の減少に直面した事業者が事業継続できるように、家賃の負担を軽減する給付金です。

支給対象となるのは、次の3要件をすべて満たす事業者です。

  • ✔︎ 資本金10億円未満の中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者
  • ✔︎ 2020年5月~12月の売上が次のどちらか
     ・1ヶ月で前年同月比▲50%以上
     ・連続する3か月の合計が前年同期比▲30%以上
  • ✔︎ 自らの事業のために賃料を支払っている法人では最大600万円、個人事業者では最大300万円が賃借人に支給されます。

(経済産業省: 家賃支援給付金に関するお知らせ)

住居確保給付金

主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内の場合や、給与等が離職・廃業と同程度まで減少している場合に支給される給付金です。

支給対象となるのは、次の4つの要件をすべて満たした人です。

  • ✔︎ 主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内である場合もしくは個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合
  • ✔︎ 直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12(以下「基準額」という。)と、家賃(但し、上限あり)の合計額を超えていないこと
  • ✔︎ 現在の世帯の預貯金合計額が各市区町村で定める額を超えていないこと
  • ✔︎ 誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

支給額は市区町村や世帯人数によって異なり、支給には上限がありますが、家賃額が原則3か月間支給されます。(2回まで延長あり)

住居確保給付金は、代理納付と呼ばれ、直接家主に給付されるしくみとなっています。
(厚生労働省:住居確保給付金)

これら給付金は原則、所得税、法人税について課税対象となっています。

しかしながら、

 

 

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