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売上の計上のタイミングを使った不正会計とは?


売上の計上のタイミングについて不正が行われる例もあると聞きました。どのような形で不正が行われるのでしょうか?


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

会計上の「売上」とは、どのようなタイミングで計上されるのでしょうか?

企業会計において、売上を計上するタイミングにはルールがあり、これを専門用語で「実現主義」といます。

実現主義とは、収益を「実現の時点」で認識するという考え方で、次の2つの要件を満たすことが必要です。

①財貨の移転又は役務の提供の完了(販売行為やサービス提供です)
②現金及び現金同等物の受領(対価の成立です。売掛金でも良いです)

となると、作業が完了していない納品物では売上として成立したことは認められません。

たとえば、何かを買ったのに未完成品が届いたら、誰でも返品して完成品を再納品してもらうでしょう。
ところが、売上・利益へのプレッシャーからか、再納品があったにもかかわらず売上を計上してしまう会社があります。

今回紹介する会社は、クラウドソーシングサービスを提供しています。

仕事の流れとしては、たとえば対象会社は顧客企業から記事の執筆などの依頼を受けます。
すると、対象会社はこの記事執筆依頼を、Webサイトを通じて会員登録している個人等に委託します。
売上は顧客企業から業務受託収入として計上します。

この不正では、不正対象会社にA社が記事作成を発注しました。
依頼会社と不正対象会社の間にはB社が代理店として入っていました。なお、対象会社は9月決算でした。

まず、9月1日に代理店B社から対象会社に2700万円の発注書が発行されました。
対象会社は、9月27日に記事データの納品をA社に行いました。

—————————
               ①発注書(9月1日)
記事作成発注会社(A社)→ 代理店(B社)→ 不正売上対象会社
   ←---------------------
         ②記事データ納品(9月27日)

—————————

そして、対象会社は9月28日にB社に対して2700万円の請求書を発行し、9月30日にB社から同額の支払がありました。

しかし、この納品は10月以降に改めて作業を行い、A社の要求を満たす記事データを再納品する必要があることを前提として行われたものでした。

再納品する必要があることを前提とした納品は、上記「実現主義」の①役務の提供の完了を満たしたものとはいえず、売上と認めることができません。

ではなぜ、このような不正をしたのかといえば、同社は9月決算であることから9月末に売上を計上したかったのではと推察されます。

なお、

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