育児休業と介護休業について教えてください。
解説
育児休業と介護休業については、労働者(日雇従業員は除く)が申し出ることができる場合と、事業主が拒むことができる場合があり、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下、「育児・介護休業法」といいます。)に定められています。
「労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。」(育児・介護休業法5条1項)
男女を問わずに育児休業を申し出ることが可能ですが、期間を定めて雇用されている者が休業の申出をするには、法律上以下の条件があります。
- 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること。
- その養育する子が1歳に達する日(以下、「1歳到達日」といいます。)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること。
- 当該子の1歳到達日から1年を経過する日までの間に、労働契約の期間が満了し、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと。
なお、育児休業の申し出は、特別な事情がない限り原則として1人の子に対して1回に限られます。ただし、育児休業が子供の出生日又は出産予定日のいずれか遅い方から8週間以内に取得された場合は、その育児休暇は1回の申し出とは扱われず、再度育児休業を申し出ることができます。
介護休業については、以下のように定められています。
「労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。」(育児・介護休業法11条1項)
- 同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者。
- 介護休業開始予定日から数えて93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者。ただし、93日経過日から1年を経過する日までの間に雇用契約の期間が満了し、かつ、雇用契約の更新がないことが明らかである者を除く。
一方、事業主が拒むことができる場合は、事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない場合や、休業の申出があった日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな者、1週間の所定労働日数が2日以下の者については、過半数労働組合または労働組合がないときは過半数代表者との書面による協定により、その者を育児・介護休業の対象から除外することができます。