当社では、毎年多くの学生が就職活動の一環として、当社社員へOB訪問をしております。
しかし、最近OB訪問を悪用したトラブルが多発しているというニュースもあり、社員に対して注意喚起をしたいと考えています。
どのような内容を伝えるのが効果的でしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
OB訪問によるトラブルは、特に女子学生に対するセクハラ(「就活セクハラ」と呼ばれているようです)が大多数を占めるといっても過言ではないでしょう。
中には深刻なセクハラ被害にあった方もいます。
例えば、大手ゼネコンの社員による就活セクハラは、OB・OGと学生をつなぐスマートフォンのアプリを通じて女子学生と知り合い、言葉巧みに自宅マンションに誘って、わいせつ行為をしたとしてOBが逮捕されたものです。
入社難易度が高い人気企業のOBに誘われれば、断りづらいのも確かです。
実際、大手ゼネコンの事件では「面接指導をするから」と誘っていたようです。
大手商社の社員が逮捕された例でも、OB・OG訪問マッチングサイトを活用しOB訪問した女子学生を居酒屋に誘い、泥酔させ、その後わいせつ行為に及んだというものでした。
大手ゼネコンの場合と同様、居酒屋に誘われたり、泥酔するまでお酒を勧められても断れなかったのでしょう。
このように、学生の弱い立場を悪用した就活セクハラは程度の差こそあれ頻繁に起きているようであり、企業側として防止対策を講じることは喫緊の課題です。
では、どのような対策が考えられるでしょうか。
上記2つの事件で共通しているのは、いずれも「勤務時間外(夜)に社外で会っている」ということです。
そのため、最良の防止策としては「勤務時間外に」、「社外で」会うことを禁止するのがよいでしょう。
所定労働時間中にOB訪問を受けることが難しい場合は、「社内で19時まで」などのように制限を設けることになるでしょう。
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違反した場合には懲戒処分の可能性も見据え、就業規則を改定しておくことも考えられます。
周知徹底も忘れてはいけません。
アプリ、マッチングサイトを使用して会うのであれば、