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派遣労働者の「同一労働同一賃金」対応で「労使協定方式」を採用する際の賃金の決定方法での注意点とは?


派遣労働者の同一労働同一賃金対応について、当社では「労使協定方式」を採用する方針です。
特に賃金の決定方法に留意しなければならないようですが、それはどのような点になるのでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

「労使協定方式」では「賃金の決定方法」を定める必要があり、その賃金は「一般賃金」と同等以上でなければなりません。

また、一般賃金は「基本給・賞与等」「通勤手当」「退職金」に分けて同等以上かどうかの判断をしていかなければならず、非常に複雑な内容となっています。

「基本給・賞与等」については、以下の計算式により算出された賃金水準が基準となり、理論上ではこれを上回れば問題ないということになります。

計算式 = 職種別の基準値 × 能力・経験調整指数 × 地域指数

職種別の基準値は公表されている「賃金構造基本統計調査の職種別平均賃金」(別添1)か、「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額」(別添2)のいずれかを採用することになります。

能力・経験調整指数は勤続0年を100として算出したものであり、例えば勤続3年の場合は131.9と、あらかじめ指数が定められています。

ただし、実務上は職種別の基準値に能力・経験調整指数を乗じる必要はありません。

上記別添1及び別添2を、厚生労働省ホームページからダウンロードすれば、例えばシステムエンジニアで勤続3年の方の値はすぐに導き出すことができるからです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

これに地域指数(全国の物価等を反映させるため、全国計を100として算出。東京は114.1)を乗ずれば「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(職種別)」を算出することができます。

派遣先に事業所が東京都にあり、賃金構造基本統計調査を採用し、勤続3年のシステムエンジニアの賃金水準を算出するのであれば、次の通りとなります。

1,882円(基準値に能力・経験調整指数を乗じたもの)×1.141(東京都の地域指数114.1を100で除したもの)
=2,148円(1円未満の端数については切り上げる)

ところが、

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