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税務調査の結果に納得できない場合に行う不服申立制度

税務調査で計算ミスや申告漏れが指摘されてしまったときは、追徴課税を受けることになりますが、調査担当者が指摘した事項が必ずしも納得できるものとは限りません。

税務署長が下した更正または決定処分を受け入れられない場合には、処分の取り消しや変更を求めることができます。

本記事では、税務署の処分に納得ができない場合に行う、不服申立制度について解説します。

税務署の処分に不服があるときの申立て方法

税務署長が行った処分に不服がある場合、申立手続きをすることで処分の取消しや変更を求めることができます。

再調査の請求

再調査の請求は、税務署が行った課税処分や滞納処分に不服がある場合、税務署に再度調査を求める制度です。

以前は「異議申立て」の名称で存在しましたが、国税不服申立制度の改正に伴い、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てからは、名称が「再調査の請求」に変更されています。

手続きは所轄税務署等に対して行うことになり、請求を受けた税務署は処分内容の是非を改めて見直し、その結果を「再調査決定書」により納税者に通知します。

再調査の請求に係る決定で処分内容が変わることもありますが、納税者の不利益になるような変更がされることはありません。

審査請求

審査請求は、税務署が行った課税処分や滞納処分に不服がある場合、国税不服審判所に対して行う制度です。

国税不服審判所は、執行機関である国税局や税務署から分離された国税庁の特別機関であり、税務署が国税庁長官通達に示された法令解釈に基づき処分を行うのに対し、国税不服審判所は国税庁長官通達に示された法令解釈に拘束されることなく裁決を行うことができます。

審査請求では、国税不服審判所長が税務署長の処分が正しかったかどうかを調査・審理し、その結果を「裁決書」により納税者および税務署長に通知します。

再審査の請求と同様、不服審判所の裁決が税務署の処分より納税者に不利益となるような変更がされることはありません。

訴訟

訴訟は裁判で紛争解決を図る手続きをいい、税務調査の訴訟は一般の訴訟とは違い、審査請求を経てからでないと提起することはできません。

したがって、当初から訴訟を検討している場合でも、前段階として審査請求を行わなければならず、国税不服審判所から裁決書の通知を受けた後に訴訟を起こすことになります。

再調査の請求・審査請求・訴訟の実施状況

国税庁の資料によると、令和4年度の再調査の請求の発生件数は1,533件、認容割合は4.6%です。

「認容」とは、納税者の主張が何らかの形で受け入れられたものをいい、令和4年度に認容された63件のうち全部認容は18件、一部認容は45件です。

発生件数は対前年度比で37.0%増となっているのに対し、認容割合は3.3%減少しており、再調査の請求で納税者の主張が受け入れられる確率は低いです。

令和4年度の審査請求の件数は3,034件(対前年度比22.2%)で、そのうち認容件数は225件(全部認容72件、一部認容153件)となっています。

認容割合は7.1%(対前年度比5.9%)と、再調査の請求に比べると高く、直近の認容割合は上昇傾向にあります。

令和4年度の訴訟の発生件数は173件(前年度比8.5%減)で、国側の敗訴件数は10件(全部敗訴6件、一部敗訴4件)になります。

納税者側が勝訴する割合は5.4%に留まるため、処分が見直しされるケースは限られているのが現状です。

参考:
令和4年度における再調査の請求の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/saichosa/index.htm
令和4年度における審査請求の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/shinsa/index.htm
令和4年度における訴訟の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/sosho/index.htm

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