2021年1月より、子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるようになりましたが、改正により、どのような点に留意しなければならないでしょうか?
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
育児・介護休業法施行規則等の改正により、ご指摘のとおり、2021年(令和3年)1月1日から、「子の看護休暇」及び「介護休暇」が時間単位で取得できるようになりました。
改正前は、1日単位での取得はもちろんのこと、半日単位で取得することも認められていました。
ただし、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者については、半日単位での取得は認められていませんでした。
今回の改正では、次の2点がポイントとして挙げられています。
1.時間単位での取得が可能となった。
2.全ての労働者が取得できるようになった。
改正の結果、例えば1日の所定労働時間が4時間の労働者であっても、3時間の労働者であっても、時間単位の子の看護休暇や介護休暇が取得できるようになったため、就業規則や育児介護休業規程、育児介護休業等に関する労使協定の変更が必要となります。
厚生労働省は、次のような子の看護休暇の規定例を紹介しています。
「子の看護休暇は、時間単位で始業時刻から連続又は終業時刻まで連続して取得すること」
※介護休暇の規定は「子の看護休暇」の部分を差し替えれば足ります。
改正前であれば上記規定は、「子の看護休暇は、半日単位で取得することができる。
ただし、1日の所定労働時間が4時間以下である者は、半日単位での取得はできない」というようなものになっていたはずです。
これだけみると、半日単位の取得が時間単位の取得に拡大されただけであって、就業規則等の改定も簡単だと思うかもしれません。
確かに、就業規則や育児介護休業規程の条文は大きく変わるものではありませんが、運用には注意しなければなりません。
その注意点をいくつか挙げておきます。