先日、所轄の労働基準監督署から「労働条件に関する調査の実施について」という通知が送られてきました。
指定された期日に、就業規則や労使協定を持参するよう記載されていましたが、これは必ず対応しなければならないものなのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
今回、貴社宛てに送付されてきた「労働条件に関する調査の実施について」という書面ですが、この調査は、貴社が労働基準法や最低賃金法等の法令を遵守しているかどうかを確認するために行われるものです。
そして、貴社が持参すべきものとして次のものが挙げられていたとのことなので、労働基準監督官はそれらを確認し、法違反等があれば指摘の上是正を求めることになると思われます。
・就業規則、賃金規程等の規程
・タイムカード(出勤簿)
・賃金台帳
・36協定や1か月単位の変形労働時間制、専門業務型裁量労働制等の労使協定
・年次有給休暇管理簿
・医師による面接指導の制度及び実施状況が確認できる書類
・健康診断個人票
就業規則等の規程については、作成義務があるのに作成していないとか、作成していても労働基準監督署に届け出をしていなかったり、法改正に対応していない等、内容に不備がある場合は指摘対象となるでしょう。
タイムカードと賃金台帳は付け合わせすることで、残業代を支払っているか、支払っている場合でも計算方法に問題はないか等がチェックされると思われます。
また、時給換算した結果、最低賃金を下回っていないかという点もチェックされるでしょう。
36協定は作成・届け出していても、そのとおりの運用がされていないことがあります。
例えば、協定内容を超える時間外労働をさせているような場合です。
特に特別条項付きの36協定を届け出ている企業においては、違法な長時間労働が行われていないか細かくみられることになるでしょう。
2019年4月から、労働者に年5日の年次有給休暇を取得させることが使用者の義務となりました(※年休が当年度に10日以上付与される場合が対象)。
そのため、それが履行されているか、年次有給休暇管理簿で確認するかと思われます。