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ハラスメントに時効はあるのか

2年ほど前に退職した元社員から、「在籍中、上司のAさんからパワハラを受けたので、近々Aさんおよび会社を訴える予定です」と突然メールが届きました。退職した社員がパワハラで訴えることなどあるのでしょうか。また、時効にはならないのでしょうか。

【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

パワハラを受けたのであれば、なぜ在職中に申し出なかったのかという点は疑問です
(言い出せる雰囲気ではなかったとか、相談窓口が整備されていなかった、当時は在職中であり、報復行為を恐れた、金銭的事情があり気が変わった等が考えられます)が、退職後であっても、元社員から当時の上司等の言動がパワハラであるとして加害者や会社が訴えられることはありえます。

また、パワハラを受けたことにより会社等に対して損害賠償請求を行う場合には時効があり、時効の長さはパワハラの内容によって異なります。

➀生命や身体を害するパワハラの場合
・・・被害者が損害および加害者を知った時から5年、かつ不法行為の時から20年
(例)被害者を殴った、蹴った、髪を引っ張った

➁生命や身体を害するパワハラには該当しないような場合
・・・被害者が損害および加害者を知った時から3年、かつ不法行為の時から20年
(例)みんなの前で大声で叱責した、人格を否定するようなことを言った、無視をした、終業時刻間際に膨大な量の仕事を突然押し付けられた、毎日の業務が会社のトイレ掃除のみ

上記①②の「不法行為の時から20年」というのは、被害者が「損害および加害者を知らなかった場合」を指しますが、パワハラを受けた当事者が、その損害や相手を知らないということは常識的には考えづらいため、実際は3年または5年が時効と考えてよいでしょう。

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