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税務調査でLINEのデータは復元される?知っておくべき対策のしかた

税務調査では、さまざまな資料やデータの確認が行われます。

LINEのデータやトーク履歴も調査対象となる可能性があり、調査前にこれらを削除した場合、その行為が脱税などを疑われる要因となるおそれがあるので注意が必要です。

本記事では、税務調査においてLINEのデータが調査対象になる理由と、事前に講じておくべき対策について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

税務調査で取引履歴が
確認される理由

税務調査は、帳簿や領収書・請求書などを通じて、申告された売上や経費が適正であったかを確認するために実施されます。

税務調査官は、必要に応じて資料の提示を求めてきますが、過去の取引履歴を確認する目的で、電子データの提供を求められることもあります。

たとえば、業務上のコミュニケーションツールの記録は、取引の実態を示す情報となるだけでなく、取引そのものを証明する証拠となることがあるため、必要な場面に備えて事前に整理しておくことが望まれます。

また、LINEのメッセージも、内容によっては経費計上や売上報告の裏付けとして調査対象となる可能性があることから、メッセージ等の管理には十分な注意を払う必要があります。

LINEのデータはどこまで
調査対象になるのか?

税務署が調査できるのは、税務調査に必要な範囲に限られ、それ以外の私的情報を提示する必要はありません。

ただし、脱税行為がプライベート用途のツールを通じて行われることもあるため、状況によってはLINEの履歴も調査対象となり得ます。

たとえば、LINEを介して取引先とやり取りしていた場合、証拠としてトーク履歴の開示が求められる可能性があります。

また、取引相手と業務で通常使用されていないコミュニケーションツールを用いて連絡している際には、その事業者との間で発生した売上や経費の計上の有無について追及されることがあるので注意してください。

税務調査前にLINEデータを削除するリスク

LINEのメッセージ履歴は復元される可能性があるため、税務調査前に履歴を削除した行為が調査に影響を及ぼすおそれがあります。

消去したメッセージは
本当に復元される?

一般的に、LINEのメッセージを削除すると、端末上では閲覧できなくなります。

しかし、バックアップをしている場合やクラウド上にデータが保存されているケースでは、復元される可能性があります。

税務調査において、調査官がLINEデータを自ら復元するのは通常困難とされていますが、調査上必要と判断された場合には、専門業者に依頼して削除済みメッセージの復元作業が行われることもあります。

また、納税者がメッセージを削除していたとしても、関係者が提出したスクリーンショットや会話履歴に当該内容が含まれていれば、証拠として用いられる場合があるので注意が必要です。

税務署が確認する
可能性のある情報・履歴

LINEに関する情報が確認対象となるかどうかは、業務上で使用されていたかどうかが一つの基準となります。

たとえば、取引に関する重要なやり取りがLINE上で行われていた場合には、税務調査官がその内容を確認し、売上の申告漏れや経費の不適切な計上がないかを調査することが考えられます。

また、電子取引データの保存形式には特段の指定がないため、PDFに変換して保存したり、スクリーンショットで記録・保管したりする方法も認められています。

そのため、LINEを通じて領収書などを授受していたときは、そのやり取りの正確性を確認するためにトーク履歴の提示を求められる可能性もあります。

税務調査に備えた
LINEの管理・運用方法

LINEを利用すること自体にリスクはありませんが、不要なトラブルを防ぐためにも、日頃から管理と運用のポイントを押さえておくことが大切です。

調査対象になる前提で情報を管理すること

業務に関係する資料や情報は、税務調査で確認されることを前提に整理しておく必要があります。

近年はデジタル化が進んでいることから、データの管理状況や保存方法も調査対象となり、取引の証拠として提出を求められることもあります。

そのため、業務でLINEを使用している場合には、売上や経費に関するやり取りを整理し、定期的にバックアップや画面キャプチャ、ログの保存を行ってください。

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