職場において熱中症対策が義務化されるそうですが、 いつから、どのような内容で、どのような対策が必要となるのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
厚生労働省によれば、職場における熱中症による死亡災害は2年連続で30人レベルに達しており、他の死亡災害に比べて5~6倍も多いそうです。そして、死亡原因のほとんどが「初期症状の放置・対応の遅れ」ということもあり、企業の対応によっては、かなりの部分で死亡災害を防止することが可能だということも分かります。
そのため、2025年6月1日より改正労働安全衛生規則が施行され、職場における熱中症対策が義務化されることとなりました。
厚生労働省の「職場における熱中症対策の強化について」によると、基本的な考え方は「見つける」→「判断する」→「対処する」とのことです。
「見つける」とは言うまでもなく、様子がいつもと少しおかしいという労働者を見つけることです。
「判断する」とは、様子がおかしい労働者を見つけたら、速やかに救急車を呼んだり、最寄りの医療機関に搬送するということです。
「対処する」とは、例として「救急車が到着するまで作業着を脱がせ水をかけ全身を急速冷却」というものが挙げられていますが、自己判断するよりは救急隊員の判断等を仰いでから対処することが望ましいと思われます。