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飲食をともにした後にお礼メールを送り、その後セクハラと訴えたら認められるのか

当社の女性社員が取引先の男性から誘われて飲みに行き、それからしばらくしてセクハラを受けたので訴えたいと相談されました。

事情を聞くと、本人は触られたり不快な言葉を男性から投げかけられた一方、帰宅後、スマホからこの男性にお礼のメールをしたそうです。

このような状況で訴えることはできるものなのでしょうか。


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

誘いに応じて飲みに行き、帰宅後にはお礼のメールを送っているにもかかわらず、セクハラに遭ったと後日主張しているとのことですが、これだけだと女性社員の言っていることは一見矛盾しているように思われるかもしれません。

ただし、この場合は本人がなぜそのような主張をするに至ったのか、本人への配慮をしつつ、理由をよく確認しなければなりません。

ご質問の内容からだけの推測になりますが、女性社員は相手が取引先の人ということもあり、行きたくなかった誘いを断れなかったのかもしれません。

あるいは、飲みに行くこと自体は問題なかったがそこでセクハラを受けるとは思ってもみず、やはり取引先相手のため、男性のセクハラ行為を我慢していたのではないでしょうか。

当事者のみで他に出席者がいなかったり、音声等の証拠がない場合、女性社員の話をどこまで信用できるのかという問題が生じます。

過去の裁判例では、女性准教授が同じ学部内の男性教授からの誘いに応じ居酒屋で食事していたところセクハラ行為を受けたとして訴訟を起こしたものがあります。

女性准教授は別れ際に男性教授に対して握手を求め、電車内からは感謝といたわりのメールも送っており、一審ではセクハラ行為は認められませんでしたが、二審では認定されました。

男性教授は学部長の経歴を有し、准教授から教授への昇任人事についても影響力のある立場にあったようです。

また、女性准教授はその大学に就任して日が浅かったとのことです。

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