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損失飛ばしによる不正会計の手口とは?

不正会計では、「損失を飛ばす」という表現を聞いたことがあります。
どのような手口なのでしょうか?


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

自社とは関係のない会社などに含み損を押しつけ、損失を隠すこと です。

不正会計の手口として、以前は、子会社などを利用することがありました。自社にある含み損をもった金融商品や土地などを子会社に移転させて、自社の決算に影響が及ぶことを回避していたわけです。

しかし、現在では連結決算が主たる決算書となっており、子会社に含み損のある資産を飛ばしても、損失を回避することができません。

そこで、「連結外」の会社やファンドなどに含み損を持った資産を譲渡=「飛ばす」ことが考えられます 
このような連結外ファンドを用いて含み損を隠していたのが「オリンパス事件」です。

同社は、1985年頃から積極的に金融商品に投資をしていました。
しかし、バブル経済の崩壊とともに同社の投資商品は多額の含み損を有するようになりました。
1998年頃には、なんと950億円もの含み損を有していたといわれています。

そして、これまで「取得原価主義」であった会計基準に「時価評価」の考えが入ってきました。
時価評価をすれば、同社が有する金融商品の含み損が一気に顕在化することになります。

そこで、同社では今回の含み損を隠す手法として、

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