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中途採用比率の公表義務化




2021年4月より、一定規模の企業を対象に中途採用比率の公表が義務とされるようです。

中途採用をするかどうか、また、どの程度の人数を採用するかは企業の自由だと思いますが、なぜ義務とされるのでしょうか。


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

厚生労働省によると、中途採用比率の公表義務化の目的を「労働者の主体的なキャリア形成による職業生活のさらなる充実や再チャレンジが可能となるよう、中途採用に関する環境整備を推進すること」としています。

70歳までの就業確保の努力義務化等も影響を及ぼしているのかもしれません。

ただし、全ての企業を対象としている訳ではなく、「常時雇用する労働者数が301人以上の企業」が義務とのことです。

なお、ここでいう「常時雇用する労働者」とは、つぎのいずれかに該当する労働者です。

①期間の定めなく雇用されている者
②過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

では、どのようなタイミングで公表することになるのでしょうか。

公表は各事業年度に1度

「正規雇用労働者の中途採用者数 ÷ 正規雇用労働者の採用者数 × 100(小数点以下第一位を四捨五入)」

で計算した中途採用比率を、自社ホームページ等で行います。

また、公表した日を明らかにしなければなりませんし、ホームページ等には直近の3事業年度における中途採用比率を公表するようにしなければなりません。

つまり、事業年度が毎年4月1日~翌年3月31日である企業の場合、2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)~2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)について、事業年度ごとに中途採用比率を算出し、公表することが必要となります。

※この3事業年度は、各事業年度において正規雇用労働者の採用活動が終了し、正規雇用による中途採用者の状況を「見える化」することができる状態であることが条件です。

中途採用比率の公表義務化は2021年(令和3年)4月1日からとなるため、法(労働施策総合推進法)施行後の最初の事業年度内に初回の公表を行い、その後はおおむね1年以内に公表を行っていくことになります。

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