当社はシステムエンジニアが多数在籍しているIT企業で、専門業務型裁量労働制を導入しています。今後、専門業務型裁量労働制等が改正される可能性があると聞きました。
どのような改正が検討されているのでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
専門業務型裁量労働制とは、厚生労働省によると「業務の雪質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度」であるとしています。
「定められた業務」は現在19業務あり、システムエンジニアの他、コピーライターやインテリアコーディネーター、ゲーム用ソフトウェアの創作、映画プロデューサー、弁護士等が該当します。
この制度を導入するためにはこれらの業務を専ら行うことが必要である他、就業規則に定めがあること、労使協定の締結や所轄労働基準監督署への届出が必要となります。
労使協定の締結における労働者側は「事業場の過半数労働組合」か「過半数代表者」となり、企画業務型裁量労働制と異なり適用労働者個別の同意は必要とされていません。
ところが、昨年12月に開催された厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会において、これまで不要であった本人の同意を「必須とする」ことが適当であるとされました。企画業務型裁量労働制と同様の形としましょうという訳です。適用について本人が同意をしない場合は不利益取扱いをしないことも定められるようです。