当社を今月末日で退職する予定の社員から、「給与は退職した日から7日以内に支払うよう請求します」と連絡がありました。
当社の給与は末締めの翌月25日払いです。
一人だけこのような取扱いを認めると給与計算業務が煩雑となり、拒否したいのですが問題ないでしょうか。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
先に結論から申し上げると、この請求を拒否することはできません。
拒否した場合には労働基準法第23条に違反することになります。
会社の給与の締め日および支払日は就業規則等で規定されているかと思います。
退職者に支給する給与についても、規定されている締め日および支払日に則って処理すれば通常問題ありません。
ところが、労働基準法第23条(金品の返還)には以下のような規定があります。
「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。」
したがって、月末で退職する社員がこのような請求をしてきた場合は、請求日の翌日から7日以内(つまり翌月1日~7日の間)に給与を支払う必要があるということになります。
なお、死亡の場合における「権利者」とは相続人等を指します。