組織再編税制 一部の事業を譲渡する手法(株主が居住者である場合) 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生 掲載日 2024/2/14 「一部の事業を譲渡する手法(株主が内国法人である場合)」の記事で解説したように、一部の事業を譲渡する手法として、事業譲渡又は分割により事業を譲渡する手法だけでなく、M&A対象外の事業を切り離した後に、M&A対象の事業だけになった被買収会社の...
組織再編税制 一部の事業を譲渡する手法(株主が内国法人である場合) 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生 掲載日 2024/2/14 M&Aというと、被買収会社における全部の事業を譲渡することを思い浮かべますが、実務上、一部の事業のみを譲渡することがあります。 一部の事業を譲渡する手法となると、事業譲渡又は分割により事業を譲渡する手法だけのように思えますが、実務上、M&A...
組織再編税制 無対価組織再編成における税制適格要件の判定 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生 掲載日 2023/12/6 会社法上、吸収型再編(吸収合併、吸収分割及び株式交換)については、何ら対価を交付しない無対価組織再編成が認められていると解されています(会社法749①二など参照)。 これに対応し、法人税法においても、対価の交付を省略したと認められる場合には...
組織再編税制 分割における事業規模要件 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生 掲載日 2023/11/7 例えば、全国展開する飲食店が沖縄事業部のみを分割により移転することが考えられます。 そして、完全支配関係内の適格分割及び支配関係内の適格分割のいずれの要件も満たさない場合に税制適格要件を満たすためには、共同事業を行うための適格分割の要件を満...
組織再編税制 非流動性ディスカウント 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生 掲載日 2023/10/5 最三小決令和5年5月24日(株式売買価格決定申立事件)では、譲渡制限株式の売買価格の決定において、非流動性ディスカウントを考慮すべきであると判示しました。 これに対し、本判決が公表される前の最一小決平成 27 年 3 月 26 日(株式買取...
組織再編税制 親会社と孫会社との間の無対価株式交換 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/9/12 実務上、親会社を株式交換完全親法人とし、当該親会社が発行済株式の全部を間接に保有する孫会社を株式交換完全子法人とする株式交換を検討することがあります。 子会社が孫会社株式を適格現物分配により親会社に移転すれば、孫会社を子会社にすることができま...
組織再編税制 完全支配関係であっても事業の移転が必要なのか 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/8/8 TPR事件では、完全支配関係内の組織再編成であっても事業の移転が必要であると判示されました。 しかしながら、この判示には批判が多く、平成22年度税制改正との整合性の観点からも問題があります。 さらに、最近では、TPR事件の判旨をあえて採用せずに...
組織再編税制 パーシャル・スピンオフ 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/7/5 2023 年 5 月 18 日、ソニーグループは、ソニーフィナンシャルグループ株式会社の株式上場を前提にしたパーシャル・スピンオフを検討することを発表しました。 パーシャル・スピンオフは、2023 年度税制改正で導入されたものであり、発行済株式...
組織再編税制 株式譲渡損と受取配当の両建て 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/6/19 被買収会社の株主等が内国法人である場合には、株式譲渡前に剰余金の配当を行うことにより、株式譲渡益を受取配当に付け替えることができます。 受取配当等の益金不算入が二重課税の排除を目的にしていることを考えれば、その範囲内で行われる限り、租税回避に...
組織再編税制 債務超過の子会社に対する非適格分割 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/6/12 アフターコロナに伴って、不採算の子会社を対象とする M&A が増えています。 不採算の子会社を M&A の対象にする場合には、①当該不採算の子会社の債務超過を解消するとともに、②親会社や他のグループ会社が保有している資産のうち...
組織再編税制 完全支配関係継続要件と後発事象 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/6/12 合併、分割、現物出資、株式交換等又は株式移転を行った場合において、完全支配関係内の組織再編成に該当するためには、組織再編成の直前だけでなく、組織再編成後に完全支配関係が継続することが見込まれている必要があります。 このような要件を「完全支配関...
組織再編税制 新設法人の判定 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 平成22年度税制改正により、合併法人又は被合併法人のいずれかが5年以内に設立された新設法人である場合において、当該合併法人の設立の日又は被合併法人の設立の日のいずれか遅い日から適格合併の日まで支配関係が継続しているときは、原則として、繰越欠損...
組織再編税制 債務超過会社との現金交付型合併 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 グループ会社に債務超過会社がある場合には、当該債務超過会社との統合を考えることがあります。 少数株主がいない場合には、合併のハードルは高くはありませんが、少数株主がいる場合には、合併対価資産として合併法人株式を交付してしまうと、価値のない被合...
組織再編税制 なぜ、株式交付が租税特別措置法に規定されているのか 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 2021年度税制改正により、租税特別措置法に株式交付税制が導入されました。 さらに、2023年度税制改正では、株式交付税制の対象から、株式交付後に株式交付親会社が同族会社(非同族の同族会社を除きます。)に該当するものが除外されることになりまし...
組織再編税制 スピンオフ税制の問題点 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 平成29年度税制改正により、単独新設分割型分割及び株式分配に対してスピンオフ税制が導入されました。 スピンオフ税制が導入された制度趣旨として、 「『移転資産に対する支配が再編成後も継続している』かどうかについて、現行の組織再編税制は、グループ...
組織再編税制 分割型分割における税制適格要件の特徴 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 平成29年度税制改正により、分割型分割を行った場合における完全支配関係継続要件又は支配関係継続要件の判定上、分割承継法人に対する完全支配関係又は支配関係の継続は要求されるものの、分割法人に対する完全支配関係又は支配関係の継続は要求されないこと...
組織再編税制 完全支配関係継続要件及び 支配関係継続要件の制度趣旨 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 完全支配関係内又は支配関係内で行われた組織再編成については、共同事業を行うための適格組織再編成に比べて要件が緩和されています。 そして、完全支配関係内又は支配関係内で行われた組織再編成に該当するためには、原則として、組織再編成の直前に完全支配...
組織再編税制 なぜ、合併法人の繰越欠損金、特定資産が制限されるのか 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 法人税法上、被合併法人から引き継ぐ繰越欠損金と特定引継資産に対する制限(法法57③、62の7①、②一)だけでなく、合併法人が合併前に保有していた繰越欠損金と特定保有資産に対する制限(法法57④、62の7①、②二)も課されています。 これは、逆...
組織再編税制 なぜ、適格合併だと繰越欠損金が引き継げるのか 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 適格合併を行った場合には、原則として、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことができます(法法57②)。 これは、移転資産に対する支配が継続している場合には、その計算要素も引き継ぐべきだからです(朝長英樹『企業組織再編成に係る税制につい...
組織再編税制 組織再編税制の原則は時価承継 【この記事の著者】公認会計士・税理士 佐藤信祐先生掲載日 2023/4/19 税制適格要件を容易に満たすことができるので、組織再編税制が簿価引継ぎの税制であるという誤解が一部の税務専門家の中にあるように思われます。 しかし、政府税制調査会法人課税小委員会「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」(平成...