税理士損害賠償研究 更正や重加算税賦課決定処分に至るまでの手続 平成24年6月27日国税庁長官「署課税部門における争点整理表の作成及び調査審理に関する協議・上申等に係る事務処理手続について(事務運営指針)」(TAINSコードH240627課総2-21)によると、更正等をする前提として、「争点整理表」が作成されることがわかります。 そして、争点整理表を作成したら、調査担当者から担当統...
税理士損害賠償研究 税務調査と秘密録音 税務調査の際、課税庁職員の態度に問題があるような場合、秘密裏に録音をすることがあると思います。 それ自体は違法ではありません。 しかし、後で税務調査の違法性を指摘し、「録音がある」というと、課税庁職員の態度は豹変します。 そして、「守秘義務の観点から消去してください」と迫ってきます。 では、税務調査において秘密録音をす...
税理士損害賠償研究 国が納税者に対し詐害行為取消訴訟を提起した事例 横浜地裁小田原支部平成7年9月26日判決をご紹介します。 国が納税者に対し、詐害行為取消訴訟を提起した事例です。 (事案) 今回は2社登場します。 被告となった納税者と、滞納者です。 滞納者は、経営維...
税理士損害賠償研究 医師の同族会社行為計算否認裁判例 所得税の確定申告において、医師が同族会社に支払った高額な不動産賃借料が、所得税法157条1項の「同族会社の行為計算否認規定の適用」により否認された事例をご紹介します。 佐賀地裁平成28年11月29日判...
税理士損害賠償研究 貸倒損失の立証責任とは? 立証責任についてご紹介します。 課税要件事実の立証責任については課税庁が負う、という点については、ご承知のとおりです。 判例1 最高裁は次のように判示しています。 「租税法律主義、申告納税主義を採用し...
税理士損害賠償研究 所得の帰属に関する裁判例 所得税法12条は、資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するも...
税理士損害賠償研究 期限後申告における無申告加算税の 「正当な理由」が争われた事例 千葉地方裁判所平成30年2月13日判決です。 事案 納税者が、平成27年分の所得税等について期限後申告をしたところ、処分行政庁から無申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、法定申告期限内に確定申告書...
相続実務 相続法改正の中の「遺留分」に関する「期間」について 生前贈与があった場合の遺留分算定のための期間制限について、改正前は、相続人に対する特別受益として贈与された財産については、贈与時期にかかわらず、全て遺留分算定の基礎財産に算入することになっていました。...
相続実務 相続法改正の中の「遺留分」に関する 改正のアウトライン 「遺留分」に関する法改正 相続法改正前においては、遺留分減殺請求権を行使すると、遺留分減殺請求権の行使者の遺留分を侵害する限度で遺贈等の効力が失効し、その限度で、遺贈等の目的財産についての権利が遺留分...
税理士損害賠償研究 納税者が立証責任を負う場合とは? 立証責任 金地金の売却にかかる取得費の立証責任について判断された事例 (大阪地裁平成28年10月13日判決) 税務訴訟における立証責任については、所得税事案に関し、 「租税法律主義、申告納税主義を採用...
税理士損害賠償研究 申告書に関する錯誤を認めた裁判例 今回は、申告書の記載内容に関する錯誤を認めた裁判例を2つご紹介します。 錯誤を認めた裁判例は珍しいので、どんな事例で認められるのか、確認しておきましょう。 申告書の記載内容に関する錯誤については、最高...
税理士損害賠償研究 退職税理士、職員による顧客奪取は違法か?(誓約書がない場合) 勤務税理士や職員が退職するタイミングで発生する顧客奪取に悩まれている所長税理士先生の相談が増えています。 そこでは、今回は について解説いたします。 (事例1) 税理士法人から社員税理士が脱退して独立...
税理士損害賠償研究 消費税で業種判断を間違えたことにより、 税理士に損害賠償が命じられた裁判例 東京地裁平成13年10月30日判決 (TAINS Z999-0059)です。 事案 依頼者は、衣料用繊維製品及び服飾雑貨アクセサリーの企画及び製造、販売等を主たる業とする会社です。 依頼者の業種は、製...
税理士損害賠償研究 やむを得ない事情とは? 大阪地裁平成24年7月4日判決判決です。 事案 納税者は、所得税法(平成23年改正前)70条1項に基づき翌年以降に繰り越される純損失の額を記載した平成20年分所得税の確定申告及び修正申告を行い、さらに...
税理士損害賠償研究 事業所得と給与所得の区別 東京地裁平成24年9月21日判決です。 事案 納税者は、麻酔科医で、複数の病院から得ている個人の所得を麻酔科医師業の業務委託に基づく事業所得であるとして所得税の確定申告をしていたものです。 税務署は、...
税理士損害賠償研究 納税者が取締役等をしている会社(4社)の 名義で取引をした収益等を納税者個人の 収益等とした所得税と消費税の決定処分及び 重加算税の賦課決定処分に対し、取消訴訟を 提起した裁判例 東京地地裁平成29年10月18日(判例秘書搭載)。 事案 会社A、B、Cはそれぞれ別の者を代表者にして設立され、会社Dは納税者を取締役として設立された。 各取引は、調剤薬局店舗の営業譲渡、調剤薬局の出...
税理士損害賠償研究 法律行為の錯誤とは 錯誤に関しては、 「法律行為の錯誤」 「申告書の記載内容の錯誤」 の2種類があります。 今回は、このうち、「」を取り上げます。 解説 法律行為の錯誤に関しては、民法第95条は、 「意思表示は、法律行為...
税理士損害賠償研究 土地の賃料に関し、同族会社の行為計算否認が適用された事例 高松地裁平成24年11月7日判決です。 納税者敗訴となっています。 事案の概要 個人であるYが、自分が代表者である会社に対して土地を賃貸し、会社が第三者に転貸していた。 税務調査が入り、会社が得ている...
税理士損害賠償研究 税理士独立時のトラブル ~税理士法人から独立した税理士が税理士法人の顧客を引き抜きした事例~ 東京地裁平成26年4月9日判決(TAINS Z999-0150)です。 事案の概要 X税理士法人の社員税理士であったYは、税理士法人の社員を辞任してX税理士法人から脱退した。 脱退前から、担当している...
税理士損害賠償研究 税理士事務所M&A対価は、雑所得? 税理士事務所M&A対価の取り扱いについてです。 平成30年税制改正で事業承継税制の改正がなされておりますが、税理士の事業承継も活発になりそうです。 そこで、税理士事務所のM&Aに関する所得税が争われた...